ニキビ治療に一言

こんにちは、院長の栗木安弘です。

この土日は研究会、勉強会、学会の連続でした。
土曜日は大阪でアトピー性皮膚炎研究会で発表、その後は栄養療法の勉強会に参加いたしました。
日曜日は京都で日本臨床皮膚科学会近畿ブロック支部総会に参加いたしました。

研究会はアトピーの内面からのスキンケアというテーマで栄養に関する内容を発表しましたが、
血液検査での栄養評価やサプリメントを使用することは皮膚科の間ではまだまだ理解が乏しいと実感しました。

学会でのニキビ講演もなかなかよかったですが、
ぬり薬だけでなくもう少し違う面からのアプローチもご紹介してほしかったです。

最近はニキビのぬり薬が続々と登場しており、
世界標準レベルになったと喜ばれる医師もおられますが、私個人としてはもうこれ以上要らないと思っています。
さまざまなニキビのぬり薬は、
 うまく使い分けるコツ
 各ぬり薬の併用のやりかた
 スキンケアとの組み合わせ
など、熱心に細かい外用やスキンケアの指導をされているクリニックも多いようですが、
実際は毎日ケアできないし、面倒くさい、べたつく、洗いすぎによる乾燥、かぶれや刺激なども問題点もあります。
食事の話も少し触れられておりましたが、タンパク質を多めに、サプリメントの活用ではなく、
相変わらず油ものを控えて、野菜中心のバランスのよい食事のみの紹介だけでした。

薬をうまく使うことが医療の基本であるため、皮膚科はほとんどぬり薬でしょう。
しかし、研究会の発表で強調したように、もっと皮膚の内面や体の内側を理解した皮膚アプローチ(修復)をしなければ、
皮膚科はただのペンキ屋だけで終わってしまうような気がします。

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最近の栄養療法

こんにちは、院長の栗木安弘です。

2007年に栄養療法に出会い、2010年から栄養療法を実践して、
いろいろな患者さんを診ておりますと、サプリメントの効果はとても個人差があるなぁと感じます。
今までの経験と講義から学んだことを、少し長いですが、
私なりのコツというか流行りを一部ご紹介したいとと思います。

①見逃されやすいビタミンC
皮膚科領域ではやはりコラーゲンが重要で、その材料は鉄、タンパク質、ビタミンCが必要ですが、意外とビタミンCは忘れがちで、摂取量も少ない方が多いような気がします。
とくに水溶性ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC)は個人差はありますが、
たくさん摂取する必要があり、ビタミンCは3000mg以上が理想だと思われます。
オーソモレキュラーの創始者であるライナス・ポーリングは晩年はビタミンCを12~18g/日飲んでいたと言われています。

②ビタミンAは名脇役
皮膚の角化やコラーゲン合成には必須ですが、どちらかというと鉄や亜鉛の方が優先されますし、
単独処方やタンパク質不足や代謝の悪い方は効果が出にくいかもしれません。
できれば少な目で継続していただくか、吸収のよいミセル化したビタミンAをおすすめします。
ビタミンDも同様ですが早く効かせたい場合には多めに摂取するのが良いでしょう。

③鉄欠乏性貧血の改善
とくに女性や子供には必須ですが、早く改善したい場合に多めに摂取をおすすめします。(ヘム鉄2~4個/日以上)
皮膚疾患を含め、どんな疾患も鉄欠乏性貧血をまず改善させることが基本となります。

④消化吸収が悪い、低コレステロールの方は効果が乏しい
サプリメントも栄養素なので、
やはり消化吸収力の低下(胃酸分泌低下、ピロリ菌、萎縮性胃炎、便秘、下痢など)の方は、
こうした対策も同時におこなう必要があります。
また低コレステロールの方は、ベースにタンパク質不足や代謝異常があるため、
タンパク質やビタミンB群を中心として栄養アプローチが優先となります。

⑤組み合わせ
フィトケミカルは別ですが、これだけ飲めば大丈夫ではなく、
栄養素という材料を入れて、体に必要な成分を作らなければなりません。
つまり栄養素が直接作用するのではなく、栄養素が活性化したもの、
あるいはコラーゲンのように栄養素を材料につくられたものが生体に作用することを理解しなければなりません。
改善したい症状や疾患によりその組み合わせは異なります。

⑥継続することが重要
脳や消化管は即効性があるかもしれませんが、皮膚は一番栄養が届きにくくかつ面積が広い臓器です。
1~2ヵ月してよくならなければやめてしまう方もいるようですが、やはり6ヵ月~1年以上は続けることが重要でしょう。
クリニックでも長く続けている方はよくなっていると感じます。

まだまだありますが栄養療法に取り組んでおられる医師、患者さんの参考になればと思います。

至適量の理解

こんにちは、院長の栗木安弘です。

栄養療法を学ぶ上で理解しなければならないことの一つです。

細胞や組織は食べものから得られる栄養によりその機能を維持しますが、
細胞や組織の機能を向上させる量というのは、
個々で異なり、その差は20~200倍とされており、これを至適量といいます。

考え方はいろいろありますが、
私なりに解釈すれば、摂取された栄養を、
少なくやりくりすることができる細胞や組織がある一方で、
多く摂取しなければはたらかない細胞や組織、
があり、こうした差が病気の発症あるいは、老化が進行しやすいかどうか違いと捉えています。
当然皮膚のトラブルが続く方(皮膚が弱い方)は後者です。

個人の至適量はどのくらい必要かは誰も分かりません。
そのため大は小を兼ねるという発想から、栄養は多めに入れることを原則としますが、
食事から摂取できる10~100倍以上の栄養が必要となり、サプリメントを利用することになります。

私のことをサプリメントばかりすすめる医師という方がいますが、
やはりこうした至適量という概念や皮膚と栄養に関して理解すれば、
皮膚はぬり薬や美容処置だけの対症療法だけでなく、根本的に治すにはサプリメントを使用せざるを得ない気がします。


下肢静脈瘤研究会

こんにちは、院長の栗木安弘です。

先週の土曜日に近畿下肢静脈瘤研究会が大阪でありました。
今回はお世話になった先生がご講演をされるというので久々に参加させていただきました。
大学病院時代はよく下肢静脈瘤の手術をしておりましたが、
今回の講演内容を聴くと、
局所麻酔下、レーザー焼灼など下肢静脈瘤の治療は随分変わったなぁと実感しました。

私自身としては、
日々の診療や手術など下肢静脈瘤ご専門の先生には非常に敬意を示しますが、
やはり悪性疾患でもないのに、
ただ単に機能不全(弁不全)となった静脈を結紮・切除してしまうのはいかがなものかと疑問に思っています。
さらに表在静脈を切除すれば深部静脈血栓症になった場合の側副路が失われますし、
圧迫療法についても、静脈に対しては有効かもしれませんが、動脈血行不良などを懸念します。

下肢静脈の機能から考えれば、
筋のポンプ作用(カルシウム)、静脈の弾力性(コラーゲン)、血流(貧血の有無)、運動不足など、
やはりタンパク質、アミノ酸、鉄、ビタミンC、カルシウムなどの栄養状態が関与しており、
こうしたアプローチによる下肢静脈瘤の予防・切らない治療を期待したいものです。

パッチテスト

こんにちは、院長の栗木安弘です。

かぶれや湿疹の原因を見つけるためのパッチテストという検査があります。
金属や疑わしい化粧品などを皮膚に貼り付けて反応をみる検査で、
この検査で原因物質を特定するというものです。

パッチテストはかぶれのや湿疹の原因をはっきりさせるには有効な検査ですが、
 暑い時期は検査ができない
 判定は医師の主観的は判断であり、偽陰性、偽陽性、刺激反応もある
 皮膚に貼って検査するため、病変部が広範囲であれば検査できない
 貼ることで感作(アレルギーの獲得)される可能性がある
 陽性反応が出た金属(歯科金属、食物内金属)の除去や回避であるがコストや手間がかかる
という問題点もあります。

日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会では、
こうしたパッチテストにより、さまざまな物質のかぶれが多数報告され、新たなアレルゲンも次々判明されています。
通常は原因物質を特定して回避すべきことが基本ですが、
洗剤成分やゴムや染毛剤など職業柄、全て回避できない場合もあります。
また食物アレルギーにしても食品の反応が多いとすべて除去はできない等の問題点もありますし、
金属アレルギーの場合では歯科金属を除去してもよくなる保障もありません。

アレルゲンの原因追究や回避もよろしいが、
犯人ばかり捕まえて犯罪を防ぐ対策をしていない気がします。
今後はかぶれにくい・アレルギーの起こしにくい丈夫な皮膚や体を作る検討や対策もしてほしいと思います。

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